昼までは京都にいた。
妻から「破水して陣痛が始まった」という連絡を受ける。
撮影が終わるやいなや、新幹線に飛び乗る。
新幹線の中も流れる景色も、なぜか「すべて記録しておかなければ」
というおかしな思い込みから、写真を撮りまくる。
家に着くなりビデオカメラとカメラを数台もって、車で病院へ向かった。
ちょうど台風が過ぎたばかりの空はビックリするような色と様相を呈していた。
高速道路をかなり飛ばしながらも、写真を撮りまくる。
いったい何に取り憑かれていたのだろう。
「これが、君の生まれた日の空だよ」
そう言いたかったのだろう。
実際に子供が生まれたのは、次の日の夜だった。